原発の運転監視日米の差

日本の原子力安全・保安院の応答を聞いていると電力会社から報告が上がってないということが多かった。問題点は書類とか会議の報告が無い限り分からないという立場を貫いてきた。今度の福島原発の事故も東電任せで保安院が現場の状況を把握して積極的に動いた形跡が見当たらない。

今日の朝日新聞で米国原子力規制委員会(NRC)がどのような活動をしているかの調査レポートがある。各地の原発には検査官が原則2人づつ駐在していて安全が守られているか厳しくチェックする作業が続いている。

NRCのヘルメットをかぶった彼らはいつでも、どこでもフリーパスで出入りができてチェック可能である。毎朝の所員のミーティングにも参加して運転状況を把握している。別棟のNCR事務所内には原発の端末が置いてあり前日の運転日誌や作業記録すべてを見ることができる。気になることがあれば誰に質問しても良いことになっている。

検査官を養成する訓練センターには7週間の必須課程があり、原子炉制御盤のシュミレーターを動かして学習し、運転員が平時、非常時にどんな操作をしているのか頭に叩き込む。1年に渡る現場訓練を重ね試験に通って検査官の資格が与えられる。

日本の場合は官庁と同じで電力会社の作る検査書類の審査に時間を取られ現場に行く時間も、見て把握できる能力もないのが現状のようである。(安全神話が前提になっている)

私が作業現場の管理者であった時には正にNRCの検査官がやっていたような内容の仕事を安全面と生産管理面の両方でやっていた。

NRCが不具合点を見つけたら地方局や本部に報告し、重要なケースについては記者発表されている。(昨年実績200件の発表)

日本の製造現場は強いと自信を持っていたのだが電力会社と官庁がからむ原発の分野は全く異質の世界のようだ。今年度発足する予定の原子力規制委員会では米国のシステムを見習った上で現場主義を徹底し、不具合が見つかった場合には国民が分かるよう公表する方向で安全性を確保して欲しいものだ。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック